学生時代、といっても今年の話だが、情報処理学会 全国大会に参加した。
そのときとみおさんから大吉祥寺.pmのアツさを聞いて大吉祥寺.pmなるものに参加登録した。(この時このままYa8に行ったのはまた別のお話)
大吉祥寺.pm
実は(飛び込み参加したYa8を除いて)初参加のPerl系イベント。
.pmなんて付く正真正銘のPerl勉強会?だが直接Perlについて語られた登壇はなく、「大学生が余った冷蔵庫のものを突っ込んで作る鍋」のように様々なジャンルの発表が行われた。
鍋といえば、ワインと鍋という飲食店を経営しながらエンジニアをされているすてぃおさんが発表された登壇「僕のキャリアとワインと鍋」が興味深かった。
どういう過程で飲食店を経営したのか、そしてどのような方針と経営状況なのか。こういった情報を聞ける機会はなかなか無い。
そして、「僕はソフトウェアエンジニアとしては大成できないだろうということがわかってきた」という動機は私自身も日々思うことで、将来の道筋の1つとしてものすごく勉強になった。(飲食店の金銭的な意味での厳しさも知った)
そしてキャリアといえば、基調講演で大西さんが「「生存者バイアスナイト」後夜祭」と題してお話されていた。
「生存者バイアスナイト」というのは大吉祥寺.pm公式前夜祭イベントであり、門外不出のおもしろいキャリアトークが聞けるイベントである。
現地参加でないと聞けない話であるため、参加できなかった私は大変悔やんだのだが、その片鱗を基調講演で伺うことができた。
大西さんはジーエックス(現エーツーで駿河屋などを手掛ける会社)と、はてな(おなじみはてなブログやマンガビューワの会社)の創業者らしい……あまりにもすごい経歴過ぎて現実を疑った。
そんな大西さんが黒歴史として創業秘話や半生を語られていたのだが、旗から見て全く黒歴史でなかった。
「隣の黒歴史は白く見える。」かもしれない。
私自身も10年とかの単位で人生の曲がり角を見つけて曲がってみたいと思った。
といった感じで、Perlのイベントとはいったい...?といった登壇内容である。
もちろん技術に特化した登壇もあり、例えばTenForwardさんの「Linuxコンテナの歴史を追うとコンテナの仕組みがわかる」ではコンテナは仮想じゃなくて隔離なんだ〜と知ったり、kawasimaさんの「ドメインモデリングの現在地点」では名前をHonest&Completeにすると責務分割できているかをいい感じに気付けるな〜となるなど、技術的な学びも多くあった。
さらに言えば、吉祥寺.pmの会場申請は「句会」で通しているらしい。
句会に適した登壇として挙げられるのはベストLT賞で、すえなみチャンスの焼肉が贈呈された(情報量が多いがここまでは余談)、技術イベントのCMで熱いマシュマロを頬張っていることでおなじみnrsさんの「ぼっちを避けて楽しむためのアノテコノテ」である。
見出し代わりに都度一句が挿入され、新しいLTのスタイルが切り開かれていた。
そして私自身スタッフとスピーカーの両方をやってみたこともあり、共感する部分が多かった。
たしかに勉強会やカンファレンスでスタッフやスピーカーだと交流の種を作りやすいなと再認識した。
ということはつまり、今回スタッフでもスピーカーでもない私がぼっちになりかけていたのは必然である。
内向的な人間が外に出る訳
午前は1人で会場に来て登壇を聞いていた。
私はとんでもなく内向的な人間なので、よっぽどのことがない限り初対面の人に話しかけにいけない。
もちろん以前アルバイトでお世話になったメンターさんや仲の良い同期など、それなりに交流がある人には気軽に話に行ける。
一方で1回だけイベントや飲み会で会ったことのある方と再開しても、なかなか声を掛けられない。
多分覚えてもらえてないだろうしお時間頂戴するの迷惑よな〜〜って、なる。
X(旧Twitter)で一方的に知っている方や界隈で名の知れた方へお声掛けするハードルなんてものはオリンポス山くらい高い。
そんな内向的人間が外交的なイベントであるオフライン勉強会やカンファレンスに行く理由は「自分を強制的に外に出さないと殻に籠もって凝り固まるから」である。
知らないことは、調べることすらできないし興味を持ちようがない。
これを解消するには自分以外からのインプットが必要である。
そしてそれは技術系勉強会やカンファレンスとめちゃくちゃ相性が良い。
それに人生に影響を与えるような本質情報は飲み会や井戸端会議など全世界に公開されない場で出てきがちなので、オフライン参加が大事である。
あとコミュニケーション力はコミュニケーションをすることで鍛えられる気もするので……
という訳で仕事や趣味に影響を与えない範囲として、月1は社外の勉強会やカンファレンスに出ることを個人目標に掲げている。
一方で内向的な人間であることに変わりはなく、毎回勉強会やカンファレンスの当日朝は「行きたくない、お家でYouTubeとか見ていたい」の濁流が押し寄せる。
帰ってくる頃には「楽しかった」で毎度満たされるのだが……
大吉祥寺.pmでの交流
お昼休みは、食べたいものが一緒の人たちと即席メンバーを作ってご飯に行くカンファレンス飯スタイルだった。
ここで面識あるうーたんさんと感動の再開を果たしたり、初対面の茶畑さんやバーンれっどさーんとも交流が生まれた。(ありがとうございました!)
さらに午後からは、会社は違えど24新卒のお友達と邂逅してぼっちが解消されたりした。
夜ごはん交流もしたくなり、ハッシュタグベースで探し当てた24新卒を見つけてお声がけしたりした。(その節は直前に誘ってごめんなさい……)
このポストを思った以上に拡散していただけたこともあり、合間の休憩時間には大吉祥寺.pmのスタッフ側をされている偉大な24新卒2人と参加者側の24新卒4人の計6人で休憩時間に集結して、お話できたりもした。
(全員違う会社の24新卒なのにどこかしらで繋がりがあっておもしろかった。)
最終的には一部の24新卒+αで夜にお好み焼きを食べることもできた!
(参加者70人の公式懇親会に怖気づいて参加登録しなかったのは秘密)
前から気になっていたTwitter相互の24新卒の方とも邂逅できて嬉しい。
自分自身をカンファレンスに強制連行しよう
そして最後にナカミチさんの登壇「僕はまだ見ぬ誰かを動かすために登壇をする。」という登壇について触れておきたい。
(ナカミチさんが島根県益田市在住という個人的に地元近くで激アツという点やユーフォインスパイアの登壇資料も特筆すべき点だがそれはおいておいて……)
私自身が思っていたこと、そして思っていなかったことがあまりにも綺麗に言語化された内容で、しかも個人の経験と人類共通の話のバランスが絶妙ですんなりと耳に入ってきた。
僭越ながら簡単に内容を説明すると「いろいろな哲学者が言っている幸福は他社の評価でなく共同体感覚で、それはカンファレンス登壇で満たせるよ!」といったものである。
このことについてめちゃくちゃ説得力のある説明がされており、詳細はぜひ資料を見ていただきたい。
私的に「他者の意識はどうでもいい」と「勇気は経験の後に来る」がめちゃくちゃ響いた。
まず前者の「他者の意識はどうでもいい」について思ったこと。
はるかに重要なのは、「彼自身にとって彼は何者なのか」ということだ。
ショーペンハウアー 幸福について
もちろん他者の評価は仕事をする上で大事だと思うのだが、というより、むしろその他者の評価をブレさせないためにも自分自身の表象や印象をきちんと理解して、他者の評価のためじゃなくて自分の力を活かして他者に影響を与えたいと思った。
他者の評価は目的じゃなくて結果だと痛感した。
次に後者の「勇気は経験の後に来る」について思ったこと。
記事の前半で述べたコミュニケーション力を上げるためにコミュニケーションするとか、内向的だから外に出るとかに近いノリだと感じた。
カンファレンスや勉強会は飛び入り参加が難しくて、特に大型カンファレンスになると数ヶ月前から事前にチケット購入やプロポーザル提出が必要となる。
人間は遠すぎる予定は想像しにくいので、まだコミュニケーションの不安とかが生まれないうちにチケット購入やプロポーザルをやっちゃって、自分自身をイベントに強制連行させるのはとても良いかも知れない。
そしてカンファレンスに参加して、経験して、勇気をつけて帰ってくれば最強だ。勇気は経験の後に来るらしいから。
おわり
大吉祥寺.pmは句会なので最後に1句。
おまけ:入場時もらったおみくじ