急須で入れたようななにか

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新卒1年目終了

2025年4月7日

6 分くらいで読めます!

あと45年間くらい続く社会人生活の1年目が終わった。

💡
要約
辛かったが満足した1年だった

ちゃんと大人になれた気がする

正直心はギリギリだった。
麦って踏むと強くなるって言うけど、大半が死んで耐えたやつが強いって話あるけどまさにそれ。まじでギリギリ耐えた感ある。仕事もプライベートも。

情熱はずっとは続かないらしい

この1年間かつてないほど人と関わった。
5月~今週まで1週も欠かさず毎週絶対人とご飯を食べる約束を入れていたほどだった。根はインドアなので大学4年間よりこの1年の方が人と関わった自信ある。

社内外に関わらず同期を見ていて思ったのは、明らかに大人としての前向きな諦めをしている人が増えたこと。
いろいろなインターンを渡り歩いていた予定過密人間が仕事だけになってたり。個人開発をしなくなったり。土日が消費だけで終わってたり。

仕事によって奪われる心と時間は大きい。だから仕事は楽しくないと許されない。

社会人という立場の良さ

一方で小説「コンビニ人間」では下記のような一節が冒頭にある。

私は世界の部品になって、この「朝」という時間の中で回転し続けている。
村田 沙耶香 著「コンビニ人間」より

これにはめちゃくちゃに共感する。

特に満員電車で通勤してるとき、社会から承認されてる感じがして、ものすごく満足感がある。
4/1の最初の日から今日に至るまでこの気持ちは変わってない。

新卒という立場を有効に使った

学生も新卒も立場としてめちゃくちゃ弱いけど強い。
社会的な権力も地位もないけど、学生の頃は学生ってだけでよくしてもらえた。
1年を振り返ると新卒もその節は大いにあった。

とんでもなく薄いつながりの人ですら「新卒で入ったんですけど興味あるのでご飯に行きたいです」って伝えるとご飯に行けたりする。(新卒の頃はいろいろな部署の人に声を掛けてご飯に連れて行っていただいた)
だから新卒特権は大いに使ったほうが良い。
失敗も相対的に許してもらえる可能性が高いので(だからといって適当にすればいい訳ではないが)、新卒はたくさん挑戦したほうが良いとも思った。

この世で一番大事なものは同期かもしれない

同期はめちゃくちゃ偉大。
同期という理由だけで普段手の届かない人とも交流を許される特権階級。
これだけでも新卒入社した意義が十分にある。

ちなみにすごい大人は「すごい人」で片付くけど、とんでもなくすごい同期を見てしまうと、すごいでは片付けられなくなる。
もちろん人によって積み上げてきた方向性が違うのは承知だが、明確に危機感を与えてくれる。
一例を上げると、学生時代に起業したこと無いのが普通にコンプレックスになった。

あと恋バナは同期ぐらいとしかできない。同期以外はハラスメントリスクが爆発的に高くなって聞きにくいし話しにくいし話してもらえないので……(もちろん同期でも相手が嫌がる内容はだめ)。

この1年の行動に悔いがなかった

いろいろな選択をこの1年してきた。
選択した結果​辛いことばかりだったが、唯一の誇りは一切の悔いがないこと。

自分が選んだ選択とその結果を心から受け入れた時、かつてのその選択は判断時に遡及して、正しい選択となる
F 著「20代で得た知見」 <164>それでも私たちはどちらかを選ばなければいけない より

これに近い気がする。悔いがない=幸せではなくて、自分から痛みを伴う行動を取れるようになったということ。

幸せを捨てでも未来の希望を取りたい

新卒1年で幸せを感じることは正直あまりなかった。
でもそれは未来への希望がまだあるからかもしれない。

古市憲寿 著「絶望の国の幸福な若者たち」では、日本経済の低迷と反して若者の幸福度が上がっている乖離の説明として下記のように説明されている。

人は将来に「希望」をなくした時、「幸せ」になることができるのだ
古市 憲寿 著「絶望の国の幸福な若者たち」 より

これが正しいかは分からないが共感したので、これを逆手に取って最近は「幸せでない」かどうかを1つのパラメータとして自分を観察している。
これが健全な価値観かどうかはまだ分からない。

善良ではなくなった

「傲慢と善良」というマッチングアプリと婚活をテーマにした小説を読んだ。
下記は主人公が(ネタバレ回避)の事情で結婚相談所の老婦から言われたあまりにも現代的かつ普遍的な一節である。

一人一人が自分の価値観に重きを置きすぎていて、皆さん傲慢です。その一方で、善良に生きている人ほど、親の言いつけを守り、誰かに決めてもらうことが多すぎて、〝自分がない〟ということになってしまう。傲慢さと善良さが、矛盾なく同じ人の中に存在してしまう
辻村 深月 著「傲慢と善良」 より

この1年で善良ではなくなったことが一番の成長かもしれない。

まだ老化は感じないが、老化への恐怖はある

周囲は院卒が多いので23歳という新卒は若い方である。
しかし逆に言えば、同期の多くが+2年先を歩んでいる状態であり、明確に次のステージに進んでいる足音も感じる。
ちょっと怖い。

20代ですべきことをまとめた書籍で未来に向けての準備を勧めている内容が多いことがそれを裏付けている。
適当に生きることが許されない風潮がどんどん押し寄せてきている気がする。

苦しむしか無いらしい

苦しみたくないとずっと思っている。
嫌いな言葉は"No pain, no gain"。

しかしTwitterで10回くらいバズってた一節がある。

意外に楽チンなんだね、大人への階段って
分かってないな、マサオくん。ぼんやり登っちゃうと、大人になってから大変だってママが言ってたよ
「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ! 逆襲のロボとーちゃん」 より

確実に生存者バイアスだけど、就活や受験を無理して頑張ってよかったなと思うし、いろいろな過程で妥協しなくてよかったとも思う。

社会人になっても中高大の後悔が一生消えずコンプレックスになることは身を持って感じている。
そういう意味でも、20代社会人は後悔しないように生きたい。

​挑戦と安全はセット

​とある企業の採用ページに書いてあることと被ってしまうが、挑戦と安全は本当にセットだと思った。

仕事もプライベートも本当にこれだと思った。
何か新しいことを成し遂げる上で失敗は絶対必要で、その失敗には安全地帯が絶対に必要。

すべてを無条件で肯定してくれるような、これまで信じてきた価値観の世界が残っているような安全地帯が本当にほしい。

感想

この1年めちゃくちゃ長かったです。
宇宙誕生から半分くらいは新卒1年目だった気がします。
でもこの感覚は新しいことや大変なことを続けた証拠だと思っているので大事にしたいと思いました。

自信を持って、新卒1年目を頑張り切れました。


(個人での振り返りは個人で秘密裏にやっているので、この記事に書いている内容はあくまで外向けに書いた内容です。)