急須で入れたようななにか

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面接失敗伝

2023年2月1日

10 分くらいで読めます!

もう遠い昔(1ヶ月以上前)のことなので時効ですが、当時志望度がめちゃくちゃに高かった企業の4次面接(最終)で落ちました。

この失敗を活かして就活をゼロから見直し、結果として現在はとても良い選択が取れていると感じています。

以下ではなぜ失敗したのか、それによってどう変えたのかを書いていきます。まだ就活は終わってないんですがね……!

失敗理由

根底:1つの就活方法を信仰しすぎた

1つといいつつ、1ジャンルですが、人生の目的やコアを見つけて就活をしようという流派に乗っかりすすぎた点です。
これはボトムアップなアプローチで、これまでの経験やふるまいを洗い出すことで将来の目的というトップを見つけて、それに合う企業を選ぼうぜっていう流派です。

たしかに最近の就活はパーパスが重視されているという記事なんかもあり、実際面接していてこの方式の正しさも感じますが、世の中は「本音と建前」です。

もう1つ就活の流派としてトップダウン的なアプローチがあります。
志望する企業が先にあって(ゴールがあって)、そこに合わせて志望動機や自己PRを作っていくという形です。

私は前者のボトムアップだけで戦ってきた結果、企業から欲しがられない人間になっていました。いってしまえば自分勝手な就活生って感じですね……お前のやりたいことはそうかもしれないけど、こっちは求めてないんだよ!って感じですね。どう企業の役に立つかを伝えられていなかったのは客観的に見ると当たり前の失敗ですが、当の本人は見落としていました……

一般的には就活の傾向はトップダウンからボトムアップな方向に行っているといいつつも、ボトムアップ的なアプローチはまったく不要というわけではなくて、要はどちらも大事って話です。当たり前なんですが……

本音と建前を見逃していた

上記のことに気づけなかったのは就活にはびこる「本音と建前」です。

「このイベントは選考とは一切関係ありません」が関係あることくらいは知っていましたし、面接最後の逆質問の時間にある「何でも聞いて良いですよ」がゴリゴリに選考結果に関わっていることも知っていました。

また企業側は福利厚生をアピールしてきます。もちろんそのまま休みが多いから志望しました!って言っちゃうほど短絡的なことはしてなくて、成長できる環境が整っているところを志望動機にするのは良いんじゃないかと思っていた自分がいました。

でもこれは本音にしちゃだめな所なんでよよね……

そして、本番では指摘してもらえない

明らかに呆れられるのは伝わるけど、何が悪いのかわからないことが何度もありました。
この辛さやばいですよ……

多くの企業では面接後のフィードバックは行っていません(と選考結果のメールに書かれているので、聞きに行かないのは積極性がないとかでなく純粋にアウトです)

固定観念にとらわれていると疑いようがないんですよ……
ある意味模擬面接を避けたことも敗因です。これは間違いないです。

そしてそもそも人生の目的とか将来像って見つかるものなの?

ボトムアップ的なアプローチを取ることで将来の方向性を定めてから、これまで溜め込んできた色々なエピソードや強みから企業が求める新卒に合わせて選んで出すっていうのが理想なのかもしれません。

もちろん将来やりたいことが明確にある人も見てきましたが、少なくとも自分はたった20年の自分を絞り出して出てくるのは自分の強み弱みとガクチカ、何に対してワクワクするのか、あと大切にしている価値観くらいが精一杯で、「私が死ぬまでかけて目指していきたい人生の目的はこうです!」も「社会人3,5年目までになりたいビジョン」も出てきませんでした。

面接をしていく中、というより面接で失敗する中で、就活終盤にやっとおぼろげながら出てくるような出てこないような感じで、でも永遠に出てこない気もしてきました。社会人になったこと無い立場なので仮決めでいいとはよく言うんですけどね……とはいってもある程度方向性は決めなきゃいけないし適当に編み出しても深掘りできないし……って悩みます。

あと言いたいのは、技術職だから文系みたいなガチガチの就活しなくて良いという誤謬です。
昨今知的ブルーカラーなんて呼ばれ方もするように、技術職と銘打ってもビジネスサイドから実装までやることもザラなので、もはや総合職の就活と大差ないといったところです……というより技術力は前提で総合職のような将来像やガクチカも必要といったところでしょうか。

今までの自分の就活が根底から間違っていたわけではない

土台はできていた

この見出しの通りなのが厄介な点です。

また企業に合わせて志望動機や自己PRを大きく変えるのはどうなの?って思っていたのも悪い点です。嘘をつけという訳ではなく、複数ある自分の強みから、その企業に一番最適なものを選ぶということができていなかったんです。
そんな単純なことすら見逃していました……「就活は明確な軸を持つべきであり企業に合わせてずらしてはいけない」という尖った真面目が悪い方向につながってしまいました。

最終面接まで行けるほどの実力(技術力、コミュニケーション力、etc)はあったのがまた厄介です。
でも技術力があるとか社会人としての基本的なことができるとかは前提に過ぎず、大事なのはその企業と自分のふるまいや将来像があっているのか、いわばマッチングみたいです。

自己分析に多大な時間を投じていた

自己分析、ちゃんとやってました。でもそれって自分の中でのちゃんとでした。
後の章でもお話しますが、我流で推し進めたり、つまみ食いだけしていくのは危険だということを伝えたいです。

企業研究もしっかりしていた

春夏とインターンに行って、逆求人にも参加して、いやー、もうIT企業の株の売買で生活できるんじゃないかってくらいには企業を把握しているつもりでした(そんなこと全くないのですが)。

面接を受ける前にはその企業のオウンドメディアや上場企業の場合は株主総会の資料、面接官が分かる時はその面接官の経歴とSNSに至るまでを見て、情報をかき集めていました。
でも情報はキュレーションによって意味があります。ただ集めればいいってものではなく、自分の立場や志望動機を補強したり裏付けたりするための材料とすべきです。あくまで手段です。

就活の情報収集もたくさんしていた

四季報、業界地図、インターン、説明会、セミナー、人事面談と就活生の基本的な情報収集はやっていました。
参加に選考が必要な逆求人イベントや一部の人限定のコミュニティなど、就活生としては順調な側にいたと思っていました。
本格的な就活開始も大学2年の1月ということで決して遅くはない時期です。

そして就活に多大な時間を割いていました。
定量的にも定性的にも順調に見えていたんですよ。

それでも気づけなかったのは固定観念の強さ

自分は柔軟な人間だと思っていたし、複数の情報源から固定観念に囚われないように気をつけていました。
でも固定観念というのは極めて強力で、人間は欲しい物しか見れなくなっていきます。
それが定量的にも定性的にも裏付けられたものなら、なおさらです。

なので私が大失敗をするのは当然だったように思います。
失敗して疑問を持ったことや他の就活生を見たことでやっと気づけた形です。

井の中の蛙でした。

気づきの変遷

これまでの面接落ち

もちろんこの記事を書くに至った面接落ちの前にも、何度も面接落ちは経験していました。
ただそれらは単純にまだ面接に慣れていないとか、相性が合わなかったで片付けられるほどのものでした。そう思っていました。

そして迎えた某社の最終面接(4次面接)落ち

最終面接は10分で終わりました。面接官の心が動くこともなく、予定より早く終了です。
対策もしてたし、最初落ちた理由を考えて出てきたのは「緊張で喋れなかった」です。

もちろんこれも事実で、緊張してまともに喋れなかったのは疑いようがありません。
でも問題はもっと根本にありました。

少し前に話題だった書籍「銃・病原菌・鉄」と同じパターンで、19世紀の植民地支配は銃病原菌が直接の原因だけど、たどると病原菌、ひいてはヨーロッパの家畜化の早さ、さらに突き詰めるとユーラシア大陸に家畜化される動物の多さが来ているみたいな表層的な理由と本質の違いってやつですね。

私の面接落ちるタイミングは2次面接と最終面接です。2つの共通点は企業側との相性を見られるタイミングという点です。逆に言えば書類選考や1次面接では落ちたことがないくらいには力があり、これが慢心につながっていました。

就活系YouTuberの動画

特にWebエンジニア志望だと集団面接もあまりないため、他者の面接を見る機会が少ないです。

ある日YouTubeの某就活チャンネルでめちゃくちゃ上手い就活生の面接の様子見て、衝撃を受けました。
あ、これ、自分がやってる面接と根底から違う……

直したもの

0.改めて自己分析

これまでの自己分析に不安を感じて、改めて自己分析をすることにしました。新たに500ページくらいの新卒向け自己分析本を買い、体系的にゼロから自己分析をし直しました。時は3年の12月~1月。本選考真っ只中です。圧倒的に遅い……

結果としてこれまでの自己分析が1つ1つの過去の体験や流れに対してやっていたのに対して、私に足りていなかったのはより広い範囲で俯瞰することも分かりました。

高校時代の進路指導部の先生が言っていた「我流はやめろ」が思い出されます。ボトムアップのみの自己分析に我流をブレンドした自己分析をしていた自分には助走をつけて殴りたいです。

1.企業ごとに最適化した自己PR・志望動機

人生の目的と照らし合わせて企業を選ぶので自己PRも志望動機もあまり変えない方が誠実!とか思っていた時期がありました。そんな訳ないのに。

とはいえ元々ある程度は変えていたのですが、改善後は明確にその企業が新卒に求める要素を絡めた内容にしていきました。

2.自分勝手な企業選びの軸依存から脱却

企業選びの軸は成長できる環境ですって堂々と行っていました。「は?」って感じですよね……
もちろん成長できる環境のための要素をさらに細かく説明できるようにしたり、企業に合わせてこの記事のこの内容を見て志望したって言えるところまで用意していました。

ですが、そんなことではなくて、もっと根本的に「成長できる環境」が自己中過ぎるって話です。
逆になんでこれで最終面接まで行ってしまったのかが謎ですがね……

もちろんこの軸自体は心の中で持っていても良いのですが、本来必要なのは会社に役立つための軸でした。
こういう側面から御社で私の力を最大限発揮できて、私を採用するとこういうメリットがあります!ってね。

なので改めて行った自己分析を元に、会社と社会にも役立ち、自分の目標ともなる軸を追加していきました。

3.その企業じゃなきゃだめな志望動機

志望する企業については情報を血眼になるまで調べていたくせに、この点を全然活かせていませんでした……これも大きな失敗です。

それって他の会社でもできるよね?ってことに明確に反論できるような内容を意識しました。これも当たり前なのですが……ずっとやってなかったんですよね……恐ろしい……

4.企業にメリットを感じさせる自己PR

自身の今の凄さとかじゃなくて、企業にとって採用したいと思えるかなので……
自身の経歴や成果を自慢する場ではなく、企業の求める新卒に私はあってますよーって伝えるための自己PRに変えていきました。

4.質問に対する回答を完全網羅

よく聞かれる質問はある程度雛形を用意していましたが、こんなの対話じゃないじゃんって嫌がってました。
でも面接の質問は洗礼されており、すべて意図があるみたいなんですよね。
しかも表面上からは見えないので、面接官側の本音と建前を理解し、本音に沿うような回答を用意する必要があります。

なんか暗記ゲーみたいで嫌ですがね……これがjapanese recruitmentです。
面接現場で即席に用意するのは不可能なので、面接の質問対策集みたいな本を読みながら、なるほどこういう意図があるからこういう内容で話せば良いのかっていうのを用意して行きました。

おわり

就活は素で行くのがいいとか言いますが、それは「部分的にそう」です。
なにもしなくて言い訳ではもちろんないです。

あとまじで就活は我流で行っちゃダメだし、YouTubeとか見て小手先のテクニックとか即席の志望動機や自己PRを作って受かるような世界ではありません。