京急は旅の代名詞。
羽田空港行く時か、渋谷勤務のくせに京急富岡が最寄りというとんでもなく遠方に住む同期の家に行く時しか使わない特殊な路線。あ、いや、焼肉食べに行く時も乗ったな......
でも今回は飛行機でも同期の家でも、もちろん焼肉でもない。
降りたのは横須賀中央駅。
気づいたらバーガーキングに来ていた。
俺がバーガーキングを好きなのか、バーガーキングが俺を好きなのか。
永遠に分からない。
ところで、人生が仕事すぎる。この半年は特に、寝てるか仕事してるかのbool値で表せてしまうくらい。
このままでは意識を失ってしまう。
だから船に乗るのがちょうどいい。船は簡単に非日常を与えてくれる。
海辺に来ると海とガソリンの匂いがして、遠くに来た感じがする。
え?デカくない?
こんなデカ船に今から乗るの俺!?
東京九州フェリー。横須賀と門司を結ぶ船。日曜と祝日以外は基本運行してる。町中華みたいなスケジュール。
23:45に神奈川県の横須賀を出て、翌21:00に福岡県の門司に着く。飛行機で1時間半の旅路を22時間掛けて進む。
こんな癖強航路にどんな需要があるのか気になるが、1週間前に予約した時は既にかなり埋まっていた。
ちなみに出発が23:45なのがありがたい。
東京で仕事していても最悪21時くらいに出れば出航の1時間前には間に合うので、多少仕事が延びてもなんとかなる。
乗船、デジタルデトックス?
携帯回線は通じない。と思っていたが東京湾内はゴリゴリに通じる。
鉄の塊である船の奥とか、陸から離れてくると繋がらないが、全体的に割と通じる。
たまに電波掴んでまとめて通知が降ってくる。よりもいの名シーンみたいに。
逆に射倖心が煽られてしまってよくない。
ちなみに有料だけど、通信衛星経由のWi-Fiがある。
あえて1400円払ってまでネットするか!?という自制心が働くので繋ぐことはなかった。
東京九州フェリーは豪華クルーズでなく、定期航路というのが良い。
季節に応じて14000~20000円とブレ幅はあるが、新幹線で東京から小倉まで行くよりも安い。
ただ最安の部屋は難がある。
知らない人と隣り合わせ。
足元が一緒のカプルセルホテルと違って、おはようで目が合ってしまう形式。
ベッドに座ったら1on1すら容易にできてしまう距離感。
シーツも自前で敷く必要があって、少年自然の家を彷彿とさせる。
とはいえ最安運賃でも個室があるだけ良い。八丈島航路の雑魚寝部屋よりはかなり贅沢。
1人1コンセントだし。着替えとかできちゃうし。
人権がある。さすが令和の船。
とはいえカーテンこそあれど声は筒抜け。
チャックを開ける音や寝返りを打つ音が無限に聞こえてくる。耳栓は必須。

お風呂に入った。サウナと露天風呂まである。小さい銭湯よりでかい。
まだ24時を過ぎだばかり。
シンデレラは24時になったら魔法が解けてしまうが、成人男性には何も起きない。
なので売店でお酒とお菓子を買って食べた。
310円だった。この値段で得られてよい幸せではない。
東京湾を抜けたあたりから、かなり揺れてきた。
揺れは運次第だけど、1万5千トンの大型船でも揺れる時は揺れる。
これが23時間続くので覚悟は必要。毎回自分はこの事実を忘れている。
電波が弱くなってくる。酒も回ってくる。
爆睡に爆睡を重ね11時半に起きた。
睡眠負債を解消しながら移動もできる一石二鳥の乗り物。
外はもう完全な昼だけど、海しか見えない。
お昼を待ちながら本を読んだりした。
インターネットとパソコンがないだけで、人は暇になれてしまう。
お昼は海鮮丼。「海の上で魚を食べる」を超える贅沢をまだ知らない。
折角なので昼間にもお風呂に浸かった。
露天風呂は不思議な感覚だった。
景色が動いてるのに外で風呂に入っているという違和感。
でも海の風が強くて、お湯というお湯が散乱してスプリンクラー状態で早々に撤退した。
隣にいたハンターハンターのヒソカみたいな顔したおじさんは平然としていて、格の違いを感じた。

それからランニングマシンで走ってみたり、
外の空気を浴びたり、快適だった。
でも眠たい。インターネットがないと目が覚めない。
夜ご飯は梅酒とカップ麺にした。ちゃんとした料理よりこの方が旅行っぽい。
だんだん日が暮れて九州に近づいてきた。
もう豊後水道にいるらしい。
小倉
22時間ぶりに陸に揚がった。
新門司フェリーターミナルは結構奥地にあるので、無料バスで小倉まで向かった。
22時間の船旅で降り立った街で、飲み会終わりの人が歩いていた。
元いた場所みたいな人の営みがあって、すごく不思議な感じがした。
5億年ボタンを押した時もこんな感じになるのかなと思う。
藍島でネコと和解する
翌日。今度はローカルな船に乗る。
北九州は洋上風力発電が最近できたらしい。すごくSF味のある風景。
40分そこらで小倉から藍島(あいのしま)へ。
歩いて巡れるちょうど良いサイズの島。
ねこ?
ねこ!
ねこ!!!!
デフォルトで懐きステータス50%くらいあるっぽい。
思春期の男の子は好きになっちゃうだろこんなの。
ゲーム設定ミスってる。何も持ってないのにスリスリしてくれる。人間はそんなことしてくれない。
結局身体コミュニケーションですよ人生。
絶対にオキシトシンが分泌されてた。
なんだが今回の目的を果たせた気がする。
藍島は1番好きな離島の規模。
車なしで島全体を回れるけど、一通りの設備があって人間の暮らしがある島。
島内唯一のカフェに来た。
照り焼きチキンのホットサンドとコーヒー。700円。
めちゃくちゃ美味しい。
ここにも猫がいた。
デカビタ飲みながら島を巡る。
舗装されてるけど森の中の道っていいよね。
20分ちょっとで島の反対側まで来た。
近くにある小さい島には古墳があるらしく、古代はこのあたりで(雑にいえば)色々あったらしい。
看板は倒れてるけど。

その隣、右手に見えるのは男島。
時事的にホットな国家石油備蓄基地がちょうどあって、GoogleMapsで見ると子供が作ったマイクラの建物を地図で見た時みたいな見た目をしてる。
あとは猫と戯れて、帰る。
まだ13時台。仕事だったらこれからの時間なのに、もう十分満足してる。
これから先を何も決めてない。旅程も人生も。

Geminiに相談したらオタクと思われてて鬱。
本州上陸
ということで、Gemini3には出せない選択肢。九州を脱出して下関に行く。
まだAIに負けてない。オールインするらしいけど。
本州と九州は国境が分断されているので一度停電になるらしい。
(真面目な話、直流と交流が変わるデッドセクション区間)
下関に来た。山口県。中国地方。
バスで唐戸市場まで向かう。
中国地方で育ったので「ゆめタウン」という響きが懐かしい。
旧下関英国領事館。
展示に加えて本物のアフタヌーンティー(アフヌン)をやっているらしい。
昔アフヌンの話になった時、紅茶はティーフリーで何度でも飲んでいいんだよって言われて、「あ、飲み放ってことね」と返し、スコーンのクロテッドクリームを置く皿を見て「焼肉のタレ的な感じか〜」って返していたらノンデリと言われたことを思い出した。
ここはティーフリーじゃないし、マクドとバーキンの違いも分からない舌バカ独身成人男性が一人で行くのも後ろめたくて、見るだけ見て終わった。
唐戸市場に来た。
営業は15時までなので滑り込みアウト。
近場のお店はまだ営業しているのでフグを食べる。有名だからね。
怖くて人間にしがみつく猿芸のサルもいた。自分の暗喩かと思った。
これは関門大橋。
こっちはエビフライのエビ。
閉店間際のお店の人に勧められて、1人のくせにエビフライ3本も買ってしまった。
基本的に押しに弱い。
でも(エビフライはかなり好きなので)幸せならOKです。美味しかったし。
おや...?
またしても船。門司港へ
本州から九州は実は船でも渡れる。
400円。JRで渋谷から横浜まで行くより安い。
昨今 short動画が流行っているが、この船もショート動画に負けず5分で九州までいける。
門司港着。一瞬で九州側に来た。
九州側の景色と本州側の景色を簡単に見比べられて面白い。
なんでもある。言ったもん勝ち。
門司港は横浜みたいな街だった。古い建物がたくさんある。
あ、でも横浜駅は100年くらいずっと工事してるけど門司港駅は当時のままなので、門司港の方が偉い。
電車で小倉へ戻る。
まだ夕方。1日は長いことに驚かされる。
晩酌
Slackは送信してから誤字に気づく。Terraformも applyしてからミスに気づく。
日本酒も注文してから量の多さに気づく。
ほろよい1缶で十分酔える人間に、この量の日本酒はまずい。
酒を食べ物で割って飲んでる。
迫り来る飛行機の時間。
耐えた。帰りは北九州空港から飛行機で帰る。
25歳以下なので当日割引を使った。お値段11000円。なんと行きの船より安い。
知らない場所でやっている知らない花火が見えた。
みんなスマホ見てて気づいてなかったけど。
スターフライヤーは機体が黒くてかっこいい。
さよなら九州。
そして本当のデジタルデトックスへ
フェリーはなんだかんだ電波が届く。
大抵の飛行機も機内Wi-Fiがある。
スターフライヤーの飛行機は機内Wi-Fiが存在しない。もちろん機内はモバイル通信NG。
つまりスターフライヤーは本当のデジタルデトックスを提供してくれる。
さらにスターフライヤーはコンソメではない謎のスープ?まで飲める。
まだ左の本は読み終わってない。行きの船からずっと読んでるのに。
1時間そこらでアクアラインが見えてきた。
行きは23時間掛かった旅路が帰りは1時間半くらいで終わって、バグ技みたいな感じがする。
さっきまで小倉で酒飲んでたのに。
アルコール分解速度よりも飛行機のほうが早い。
帰宅
この濃さが休日2日でできてしまうという恐怖。
つまり理論上は、毎週仕事しながらこれができる。
人生は金曜日に懸かっている。